【山陽電車改正】このご時世に攻めた改正では?しかしアピールの仕方はもっとあるような(2022年12月改正)

2022年12月17日の山電ダイヤ改正。日中は変わらないようですが、増発あり終電繰り下げありと攻めた内容。JRに対抗する気マンマンですが…しかしちょっと解りにくいというか…アピール下手なような?


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山陽電車のニュースリリースによると、ポイントは以下のようです。

■早朝に下り特急(東二見駅 5時29分発・山陽姫路5:53着)増発

■夕方の上りS特急増発

■山陽姫路23:17発東二見行き特急から、最終の普通・東須磨行きに、東二見で乗り継げるように(実質的な終電繰り下げ)

■終電繰り上げ

■荒井・白浜の宮への直特停車時間の変更

以下、個人的な考察です。


■早朝に下り特急(東二見駅 5時29分発・山陽姫路5:53着)増発

最初は「ふーん…」程度に考えていたんですが、よく考えたらこれがニュースリリースの一番手になる理由がようやく理解できました。

つまり、姫路6:00始発の東京行き「のぞみ」に乗り継げる、ということですよね。

現状でも東二見始発5:09上り普通もしくは5:20上り直特に乗れば明石で始発の西明石行き(5:41発)に乗り、西明石から6:01発「のぞみ」80号に乗ることができます。あるいは東二見5:00下り山陽姫路行きに乗れば、姫路6:00始発「のぞみ」82号に乗れますので、山陽電車全駅から東京行き始発「のぞみ」への列車は確保されています。

しかし、これで東二見は東京着を早めるか乗り継ぎを1回減らすかという選択肢ができ、高砂・大塩・飾磨は時間に少しゆとりができる、ということになります。

沿線に工場を多く抱える山電らしい増発ですね。むしろ、コロナ前には運行してたやつの復活だったりするんでしょうか?


■夕方の上りS特急増発

急な増発で不思議なのがこちら。

改正前は平日夕方に1本だけ設定されているS特急が、なんと2本も増発されます。

具体的には以下の通りです。

始発 高砂 東二見 明石 新開地 神三宮 終着
高砂 1658 1712 1723  1749  1755 神三宮
高砂 1713 1727 1738 1803 接続有 新開地
高砂 1729 1743 1754  1820  1827 神三宮

このうち3本目が現行も運用ありの列車です。

ただ不気味なのは、ニュースリリースには「増発します」とだけ書いてあること。折返しはどうするのか…しかもお約束の「ご利用状況に合わせて運転本数を…」の文言もないし…(書き忘れただけじゃないよな…)

2本目はおそらく高速神戸18:10始発の普通になると思うのですが、それは普通の折り返しですし、果たしてどうするのか…

運用がどうなるのか気になりますね…


■山陽姫路23:17発東二見行き特急から、最終の普通・東須磨行きに、東二見で乗り継げるように

これは結論から言うと、山陽姫路〜大塩・高砂から、山陽魚住〜東須磨に向かう際の終電が16分繰り下がる、ということのようです。

そして、姫路駅発の最終が、JRと同時刻になるということです。

改正前は山陽姫路23:01発直通特急が、山陽魚住から神戸方向の最終でした。(大塩で山陽姫路22:51発の普通東須磨行きに、山陽須磨で高速神戸行きに接続)

改正後は、山陽姫路23:17発の特急東二見行きが、終点の東二見で上記22:51発の普通東須磨行きに接続します。特急が東二見に着く5分前に東須磨行きが出るところ、ちょっと長く待機させると思われます。

で、大事なこととして、JR姫路駅の最終大阪行きが23:17なので、明石・舞子・垂水・須磨への最終がJRと並ぶことになります。乗換の手間はありますし、所要時間はJRが圧倒で明石の時点で相手は普通にもかかわらず後れを取るんですが(逆に言えば今でも明石からの上り終車は山電なんですね)。

さらに、1つ目の新幹線のことを書いてて気づいたんですが、新幹線の上り最終「みずほ614号」が姫路に着くのが23:07。…おお、山陽姫路23:17発の特急東二見行きに乗り換えられるではないですか。
最終「みずほ」は岡山22:48、広島22:12、博多21:09、そして始発の鹿児島中央始発19:51にそれぞれ発車。

一方で改正前の山陽姫路23:01発の直通特急に乗るために最後に姫路に着くのは、22:43着の「こだま868号」。この列車は岡山22:18発と発車が30分早くなります。広島以西からは姫路着22:20と最終「みずほ」より45分も早い「さくら572号」に乗る必要があり、こちらは広島21:19、博多20:06と「みずほ」より約1時間、始発の鹿児島中央に至っては18:28と約90分も早くなります。

明石以東へは姫路23:17のJR普通がもともとありますが、山陽魚住〜西新町は恩恵がありますね。(む、そう考えると調べた割には恩恵の範囲は狭いのか…

でも、普通を5分遅らせてこれらのメリットなら、なんでこれ今までやってなかったんだ…と不思議になるくらいです。


■終電繰り上げ

一方で下り列車は終電繰り上げがあります。

それでも飾磨までは神戸や大阪からでも繰り上げが10分程度と距離の割には頑張っている印象。姫路は30分くらい早くなりますが、JR使え、と割り切った感ですね。


■荒井・白浜の宮の直特停車時間帯の変更

「沿線企業の勤務時間帯が変化していることに伴い」、荒井・白浜の宮への直通特急が停車を、17:30~21:00から17:00~20:30へと変更するそうです。

これ、停車する時間帯は変わっても、2時間半の間、ということは変わってないんですよね。

ちなみに山陽電車のサイトには週ごとに主要駅の時間帯別混雑状況がアップされています。これによると17:00~17:30は確かに増えはじめているんですが、ピークである17:30~18:00の4割ほど。しかし以降は徐々に減っており、20:30~21:00は表示外ではあるんですが17:00~17:30よりも減っているかも、という感じはします。

2019年のデータと比較してみたいですが、きっと17:30~18:00の山は今より低く、その後の減少幅も小さかったのではないでしょうか。

というか、直特停車に合わせて17:30~18:00に一気に増えているのかもしれませんね。12月後半のデータがどうなるか見ものです。

ああ、本当に世の中って早く帰る感じなんですねぇ。


JRに押されているイメージが強いけども、めっちゃがんばってるんじゃない?という感じの山陽電車ダイヤ改正でした。終電以外の減便が本当に無いのなら、ですが…

ただ、よく考えないと利便性アップの趣旨がわかりにくいような…もっとストレートに狙いを書いてくれていいのよ?と思った次第です。

ご覧いただきありがとうございました。


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