100万都市では珍しい、ダム建設による付け替え区間がある神戸電鉄。近いせいか逆に行かない廃線区間を訪ねてみました。
ダムの堤体から、南方向。あとひとつふたつ尾根を越えれば市街地なので、奥がスッキリ広がっています。
白くなっちゃってますが、奥は神戸港が見えています。
↑は撮影地メモ用に撮った写真で、撮影時は影になっていたこともあり気にしなかったのですが…
帰ってPCの画面で見直してみたら…
右下の黒い部分を拡大すると…コンクリの擁壁が…
あ!
穴、ありました。廃止になった烏原隧道の北口が上から見えていました。
写っているのには気付かず、烏原隧道を探しにダム下へ降ります。
階段はダムの左右両側にありますが、右岸側のみ開放されており、左岸側は階段入り口が柵で閉じられています。
RPGのダンジョンのような、冒険感がある階段。
デザインとして堤体に取り込まれているのがいいですね。
さあ下まで降りてきました。
遊歩道が南へ続いています。ただ航空写真の比較と烏原隧道がこの路面より高いことを考えると、かつての路盤は右側の並木の数m上だったのではないでしょうか。
この付近はダム工事の際にもっとも地形の改変がなされているはずですし、そもそもこんな広い平場なんて元々ないでしょうから、面影は跡形もないと思われます。
この付近を拡大するとこんな感じ。
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100mくらい先に、フェンスで遊歩道が狭まる部分がありました。ここで遊歩道と旧路盤が分かれるようですね。
細くなった遊歩道を少し進むと1.5mくらいの段差ができました。
このあたりで神戸電鉄の現在線が見えてきます。橋の左側がすぐ菊水山トンネルで、右側がすぐ烏原トンネル。ということは烏原隧道も概ねあの高さ。
で、ここで右上に目をやると…
ありました。烏原隧道の坑口です。ダム付近とは異なり崩れやすい地質なのか、谷側の翼壁が広がっています。
角度を変えると穴も見えます。
が、先述のとおり坑口は遊歩道より高さがあるため、ここから入るのは難しいです。
こちらはその先、遊歩道が上下に分岐する場所。
旧線はトンネルに入ってすぐのあたりだったと思いますが、脇に古そうなコンクリ擁壁の法面に、階段の跡がありました。トマソン類型に言う「原爆型」ですね。
旧線から川沿いの縦走路へ降りる業務用階段とかだったのでしょうか。
ちなみに遊歩道のうち谷側に向かう方は川に沿って六甲縦走路に合流します。
一方で山側へ上がる方は少し上っていきますが藪がひどく。地形図上では現在線の橋の上を越えて、やはり縦走路に合流しますが合流地点はいまいち判然としません。推定ですが、こちらは広さから言って元々はダム建設用道路だったのではという気もします。薄い記憶ですが、かつて菊水山駅が休止する直前に降りてみたとき、対岸に仮設のダンプが通る道が設置されていた気がします。仮設橋で川を渡りそこに続いていたのではないでしょうか。
そういえば旧菊水山駅南にある浄水場脇に、山麓バイパスから繋がってブッツリ途切れる太い道がありますね…ここに繋がっていた?
なお烏原隧道南口は烏原トンネル南口の隣に口を開けているのが今も車内から見えますが、たどり着く道はありません。
ここを訪れた廃トンネルサイトのレポを見ると、北側からは入れないようですが、どうにかして南側にたどり着いてフェンスを乗り越えてトンネル内に入っていました。神戸電鉄に正式に話を通してでないとすると、旧菊水山駅脇から線路づたいに入ったか、下写真の新線の奥に見える隙間を抜けたか、ということでしょうか。
以上で廃線跡の探訪は終わりです。まだ緑の濃い時期でしたので、紅葉の時期や冬枯れの時期にまた行きたいですね…
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