阪急電鉄は2024年12月5日、翌2025年2月22日(土)のダイヤ改正を、発表しました。西宮北口のホームドアから10両運転終了は解っていましたが、まさかのサプライズ。準特急を京王から引き継いだと思ったら、こんどは…
とはいえ、全体をよくよく見ると「なんで今までやっていなかったのか」とすら感じてきます。
今回の改正のポイントは以下の通りです。
神戸線
◆通勤急行を廃止、代わりに通勤急行停車駅から塚口を除外した「快速」へ変更
◆平日朝ラッシュ10両運転を終了、全列車8両に
◆平日朝ラッシュの「特急」を全列車「通勤特急」に変更
◆平日朝ラッシュに大阪梅田発西宮北口行き急行を13本増発
◆平日夕ラッシュの「特急」を「準特急」に変更
◆深夜帯に2本増発
宝塚線
◆平日朝ラッシュに運転パターンの一部変更
◆平日夕ラッシュの一部急行を急行停車駅+曽根・岡町(=準急停車駅ー中津)の「通勤急行」へ変更
◆箕面線接続列車の変更
10両運転の廃止、どういうことか考えてみる
神戸線の10両運転は、西宮北口駅でのホームドア設置状況から、遅かれ早かれという感じで、それがいよいよとなりました。(参照:【阪急】10両運転は早ければ今夏、遅くても来春には終了か…)
近鉄大阪線・南海に続いての10両運転廃止は寂しいですね。阪急は「生活様式の多様化によりご利用動向がコロナ禍前から変化していることを踏まえた変更です」としています。
確かに、今年に入って数年ぶりに毎週朝ラッシュ時に阪急神戸線に乗るようになったのですが、コロナ前より明らかに朝ラッシュ上り列車は空いていると感じます。
通勤特急の塚口→十三はけっこうぎゅうぎゅう詰めだったはずなんですが。今年5年ぶりに毎週朝ラッシュ時の阪急に乗るようになって、びっくりしています。
ただぁ!
要はJRに客が逃げただけじゃないのか? とも思いますけどね。
コロナ前から終電や夜の12分間隔開始の繰り上げなど、徐々に阪急の利便性は下がっていました。
休日夜に京都線下りがまだ10分間隔で十三に到着するのに神戸線はもう12分間隔となる結果、京都線の特急を2本受けてラッシュ時を超える混雑になる列車とかありましたからね。
↑8200系の処遇も気になるところ
一方で、驚きは快速の新設による千鳥停車化。
塚口通過、そこに踏み切るとは。
通勤特急と快速とで千鳥停車をする。
さらに快速を通勤特急に先行させることで、西宮北口以西の客をなるべく快速に乗せ、通勤特急が2両減った分をそちらへ移す。
さらに特急を通勤特急化して、塚口の停車本数を維持する。
うーん、3つ目の要らなくね?と思ったのですが
もともと塚口駅の朝ラッシュ上り列車は、「通勤特急・通勤急行・普通・(特急通過)・準急・普通」のサイクルで停車間隔が歪だったわけですが、これが「(快速通過)・通勤特急・普通・準急・通勤特急・普通」となります。
準急のあとの通勤特急が(特急通過)になるとすると、準急から通勤特急まで確かに間隔が空きすぎ。これはよろしくない。なるほど。
どうせなら、準急も塚口を通過させちまえばよくね?とも思うのですが。
↑「通勤急行」が消滅するのは驚きでした
謎の「朝ラッシュ下り急行13本増発」とは
これはおそらく、現在上り通勤特急が大阪梅田到着後、回送で下っていくのを客扱いするのではないでしょうか。回送にはもともと車掌が乗っているので、8両化することで客扱いできるようになったのでしょう。
この時間帯は普通が園田で通勤特急を退避するので、園田以西は必ず通勤特急が先着。そのため十三駅1号線のホームはときに通行に難儀する混雑になります。
さらに先の普通は園田で通勤特急待避のみならず回送まで待避するんですよね。なんで回送待たなあかんねん、っていう。
↓回送の退避をする普通
夕ラッシュも快速になるわけですが
これは武庫之荘以西の利用者全員が思ってたことだと思うのですが、夕ラッシュ時は武庫之荘あたりから普通・通勤急行・特急がダンゴ状態でノロノロ走るのが常態化していました。
これが通勤急行の「快速」化と千鳥停車化によって解消されるとすれば、良い試みだと思います。
しかし普通がそのままだとダンゴ状態は何も変わらない気もします。大阪梅田~神戸三宮の所要時間が変わらないらしいので、ダンゴの解消は必要でしょう。
もしかすると普通は園田で退避するような形になるのでしょうか。単に現ダイヤのまま塚口に特急が停車すると、ダンゴが変わらないだけでなく、準特急の混雑が激しくなるでしょう。このあたりは時刻表の発表待ちですね。楽しみ。
あと、「混雑の平準化」を掲げるなら、京都線の特急が混んでいることが多いのに対して、準急の高槻市~大阪梅田が常にガラガラなの、なんとかしませんか?
宝塚線に通勤急行が登場するのも必然
宝塚線でも、夕ラッシュ下り「急行宝塚行き」を停車駅を増やした通勤急行にすることになりました。これは要するに、前が詰まってゆっくり走る列車を、それなら停めてしまえ、ということでしょう。
夕ラッシュ時の急行宝塚行きは、特急日生エクスプレス・急行雲雀丘花屋敷行きが大阪梅田・十三を発車する各3分後に発車します。ここでは続行ですが、特急日生エクスプレス・急行雲雀丘花屋敷行きが庄内で普通を追い抜くものの、急行宝塚行きは追い抜かず、間に普通が入る形に。こうなると、豊中到着前の急行宝塚行きが罰ゲームみたいな徐行になることは明白。実際、前者は大阪梅田~豊中が11分なのに対して後者は13分。
なぜ今までやってなかったのか、という気もします。
このように考えると、「なんで今までやっていなかったのか」とすら感じてきます。
とはいえ、実際にどうなるのか、来春が楽しみですね。
ご覧いただきありがとうございました。