100万都市では珍しい、ダム建設による付け替え区間がある神戸電鉄。近いせいか逆に行かない廃線区間を訪ねてみました。
菊水山駅跡 ①
エントランスエリア付近を見たあと、南に進むと道に分岐があります。同じ高度を保つ道と、降りていく道。降りていった先には広場があります。線路跡はその広場を突っ切っていたようですが、ここは上を進みました。
ダム湖にありがちな、幅は大したことないながら高くてデカい橋を渡ります。正面にデカい岩がありますが、名号岩とかいうらしく案内板や登り口がありました。
橋の上から、分岐して降りていった道路が見えます。路盤跡が道路に転用されたようです。
上は上流側で、下が下流側。ダムも見えてきました。
えらく堰堤が高いというか、水が少ない気がする石井ダム。たまに能勢電の奥にある一庫ダムに沈んだ廃トンネルを見にいくのですが、一庫ダムの知明湖と比較してしまうと、相当少なく見えます。
おそらく、一庫ダムが洪水防止の他に各種用水を確保する目的があるのに対し、こちらはほぼ、阪神大水害を筆頭に洪水を繰り返してきた湊川の洪水防止目的であるため、できるだけ水位を下げておきたいのではないでしょうか。
そのおかげで満水時に水没する場所の多くの部分が、人が訪れるような天気であれば水面上にあることがほとんど。そのため広場や公園、そして路盤跡を転用したと思われる道が整備されたようです。
「ほぼ」と書いたのは、「レクリエーション」が目的に入っているため。後掲写真のように堤体上は公園のようになっているほか、ダム内には長さ70mにも及ぶホール(というよりはコンクリの立方体空間)があるそうな。ただ、ホールは案の定ロクに利用実績がないようで…ところでこのレクリエーション目的って費用便益比の計算に勘定されてるんですかね。軽くググったところでは資料が見つけられませんでしたが…まあ鈴蘭台付近の住民にはすごく良いサイクリングスポットだとは思うのですが。
話は盛大に脱線しましたが、先述した広場や道路の整備についても、もしかしたらレクリエーション目的が生きているのかもしれません。行政はなんでもいいから目的がないとカネを出せないですからね。
さらに進むと坂道が合流してきます。路盤跡から管理道路へ合流するものです。路盤跡自体は手前のガケに隠れて見えていません。
向きを変えるとこの通り。中央右の赤茶色が路盤跡で、その右の灰色が連絡路です。まっすぐ続いているのがわかります。
ダムまでやってきました。
堤体の上を通行できるダム自体は珍しくないですが、このように植栽やらベンチがあるのは珍しいのでは。
で、そのダム堤体からの眺め。水面近くの下がっていくスジが路盤跡ですね。
こう見ると神鉄にしては結構長いストレートだったことがわかります。
路盤跡は連絡路との交点からカーブして途切れます。
ん…?
あっ!橋台っぽい構造物!
やっぱりここが路盤跡っぽいですね。
ダムからしか見えなさそうな遺構が見つかりました。
菊水山駅跡 ①
[ad#ad1]